クセになったギックリ腰・分離症・神経痛・ムチウチ症

よく「ギックリ腰はクセになりやすい」と言われますが、その理由をご存知の方はあまりいません。「そういうものだ」と思わず、最初に丁寧な正しい治療をすることが大事です。ギックリ腰をあまくみると「椎間板ヘルニア」に悪化する事もまま、あります。分離症、色々な神経痛も同じく、きちんとした原因を知り、正しい治療を受ける事が痛みからの解放の一歩となります。

なぜ「ギックリ腰はクセになりやすい」のか?

「ギックリ腰」でも浅い筋膜剥離(きんまくはくり)のような軽い場合は問題ありません。しかし、深い場所の椎間の靭帯をひねったまま固めてしまうと、それをかばって周りの筋肉が緊張をして長い間に筋肉がもろい状態になり「くしゃみ」や「歯を磨こうとして少し身体を前かがみ」にしただけで「ぎっくり腰」になる・・・これが「ぎっくり腰はクセになる」と言われる原因です。また、これを繰り返していると椎間板が突出してきて「椎間板ヘルニア」になりことがあります。さらに、椎間板ヘルニアになり、背中側(うしろ)にヘルニア部分が突出すると「脊椎管狭窄症」になります。

治療について

クセになったギックリ腰・分離症(圧迫骨折の後遺症)・神経痛・ムチウチ症、すべて腰の治療で、傍神経刺で行います。患側(悪い方)の治療でも良いのですが、時間が長く経過している場合、左右共に行なった方が良いです。 

分離症・ムチウチ症・各部神経痛について

[分離症]

分離症は圧迫骨折「直後」の場合鍼は禁忌ですが、時間が経過したものについてはかなり有効です。

また、分離症は胸椎の12番、腰椎の1番2番が多く、痛みが側腹部鼠経部(横腹、下腹部)に出ることもあります。そのため、内科をたらい回しにされることがありますが、背中の突起部分をよく診れば分かります。

 

[ムチウチ症] 

ムチウチ症の場合はクセになったギックリ腰と同じように頚椎の回りの靭帯や筋内を解す(ほぐす)ように治療を行います。ムチウチ症をそのままにしておいても症状が消えることも多いですが、5年10年と経つうちに腕に痛みやシビレが出たり、加齢よりも早く頚椎の変形が起き易くなります。そうなった場合、治療が長くなり、症状が取れてからもしばらくの間治療が必要となります。

ムチウチのように外からの力で痛める場合、頚椎の4.5.6.番あたりから傍神経刺を行います。


 

[後頭神経痛]

後頭神経痛は頭蓋骨の後頭部の骨際、ツボだと天柱、風池とその1椎下まで傍神経刺を行います。上腕神経痛(腕への痛み)は頚椎から胸椎の1、2番までの傍神経刺を行います。

 

 

[腕(上腕、前腕)にかけての神経痛の場合]

「加齢による」「常時同じ姿勢で仕事をしている」など色々な要素が加わって起きる頚椎の変形は、4.5.6番が多いですが、胸椎の1.2番まで傍神経刺を行います。下の方を痛めると肩甲骨や腕の下方(裏側)に痛み、シビレが出たり、胸が締め付けられるように痛んだり(左側の痛みの時は心臓疾患と間違えやすい)、胸から腕の内側にかけて痛んだりする時は頚椎の下、胸椎の1、2番の神経の圧迫が考えられ、治療は首の後ろだけでなく、前の方(ツボとしては「扶突」など)の神経根治療も必要となります。


 

[坐骨神経痛、大腿皮神経痛等の下肢への痛み、シビレ]

側腹部、下腹部、大腿前面等は分離症の説明であるように腰椎の上の方の神経の圧迫が多く、下肢の側面、後面は腰椎の下の圧迫が多く、それぞれに傍神経刺を行ないます。※足首の外踝のすぐ上の痛みは治療が難しいが特殊な方法でとれます。


 

[三叉神経痛(さんさしんけいつう)]

「顔」にでる感覚(あつい、つめたい、さわった、いたいなど)を脳に伝えるのが三叉神経ですが、この神経に痛みを感じる事を「三叉神経痛」といいます。これは直接神経根に入れて治療を行ないます。

 

 

[肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)]

肋骨にそって走る神経がなんらかの原因で痛む症状をさします。上腕神経痛の胸椎1、2番の治療以上注意深く傍神経刺法で行ないます。特に胸椎の3番~7、8、9番までは(3番~7番は特に)注意。患者さんの体質もよく見極めて気胸を起さないように。万が一の場合、安静にさせて鍼灸(灸法を多めに使うが)で、3~4日で治すことができる。症状が激しい場合は外科的に空気を抜いてもらう必要もある。


肋間の胸椎の骨際に刺入していく傍神経刺ですが、気胸の危険性があるので、注意深く治療を行わねばなりません。